対象疾患・治療
乳腺外科
乳がんの"診断"から"治療"(手術、化学療法、放射線)まで一貫して行います。
悪性が疑われる患者さんに関してはできるだけ当日に生検の検査まで行い、なるべく早く診断がつくようにしております。
手術に関しては整容性を重視した乳房温存手術を行っております。また乳房全切除になってしまう患者さんの乳房再建手術を形成外科と行っております。
乳腺外科の対象疾患
当院の乳腺外科で取り扱っている疾患としては乳腺悪性腫瘍(乳がん、肉腫など)、乳腺良性腫瘍(線維腺腫、葉状腫瘍、乳管内乳頭腫など)、乳腺炎、女性化乳房等があります。
乳腺外科の特徴
新患外来は火曜日と土曜日に行っています。悪性が疑われる患者さんに関してはできるだけ当日に生検の検査まで行い、なるべく早く診断がつくようにしております。
また、石灰化の病変に対して生検を行うステレオガイド下マンモトーム生検も実施しており、様々な病態にも対応しております。
手術に関しては整容性を重視した乳房温存手術を行っております。また乳房全切除になってしまう患者さんの乳房再建手術を形成外科と行っております。
当院での乳がん診療の流れ(手術の場合)
➀画像検査
マンモグラフィー、超音波、MRI
➁組織診断
針生検、吸引式乳腺組織生検、細胞診
乳がんと診断された場合
③乳がんの広がり診断
CT、MRI、骨シンチなど
④治療方針の相談
(1)手術先行 or (2)術前化学療法
(1)手術先行の場合
⑤手術→術後補助化学療法、放射線治療
(ステージや乳がんの性質で治療内容が変わります)
(2)術前化学療法を行う場合
⑤術後化学療法→手術→放射線治療、術後補助化学療法
(ステージや乳がんの性質で治療内容が変わります)
当院の画像検査
乳房トモシンセシス
従来2次元で撮影されていたマンモグラフィーを複数の角度から撮影し、データを再構成して3次元的に断層像を作成する最新のマンモグラフィー装置を完備しております。
ステレオガイド下マンモトーム生検
通常組織診の検査は超音波ガイドを使って行いますが、超音波で確認できないような石灰化病変をマンモグラフィーをガイドにして組織生検を行います。特殊な装置が必要なため、完備されている病院は少ないです。
当院での乳がん手術について
➀ 乳房温存手術
乳がんとその周囲の組織を円柱状に切除する術式です。切除した部分には周囲の乳腺や脂肪組織を充填して、形成をします。基本的に大きさが3㎝以下で乳頭からの距離が保たれた乳がんで適応があります。リンパ節転移の有無は関係ありません。術後に放射線治療が必要になります。
3㎝以上のがんであっても術前化学療法を行い、がんを小さくして温存手術ができるようになる場合もあります。
➁ 乳房全切除術
いわゆる乳房全摘術であり、乳がんで手術する患者さんはすべての人が適応になります。乳頭乳輪を含めた乳腺がすべて無くなってしまいますが、基本的に術後の放射線治療は必要ないです(進行した乳がんの患者さんには放射線治療を行う場合があります)。
③ 乳房再建
乳房全切除を行う場合、形成外科と連携して乳房再建を行っています。
一次再建(乳房全切除直後に乳房再建を同一手術内で行う方法)、二次再建(乳房全切除術後しばらくしてから行う方法)に対応しています。再建方法としてはインプラント(シリコン)による再建、自家組織(自分の背中やお腹の組織を移植)による再建に対応しています。
*患者さんのがんの大きさや進行度で適応が変わりますので担当医に相談してください。
乳がんの薬物療法(抗がん剤治療)
乳がんの薬物療法には3つのタイミングがあります。
➀術前化学療法
➁術後補助化学療法
③進行再発乳がんに対する化学療法
当院では基本的に乳がん診療ガイドラインに沿った標準的な内容の化学療法を行っています。化学療法の導入(初回)は入院で行い、2回目以降は外来通院で治療を行います。外来には化学療法室という点滴を受けるための専用のスペースがあり、専門の看護師や薬剤師がサポートしてくれます。
乳がんの放射線治療
乳がんの放射線治療には大きく2つの目的があります。
一つが乳房温存手術後や高度リンパ節転移のある乳癌術後の患者さんで、再発予防で行う場合ともう一つは乳がんが再発してしまったときに行う症状緩和目的の放射線治療です。当院では両方の場合でも対応しております。
*サイバーナイフやγナイフ治療は行っておりません。