当科の紹介
ダヴィンチ手術
ダヴィンチ手術とは
ダヴィンチ手術は、腹腔鏡下手術と同様に、患者さんの体に小さな穴を開けて行う傷口が小さく身体への負担の少ない手術方法です。従来の手術に比べて傷口が小さく、術中の出血量が減少し、術後の痛みも少ないため、患者さんの早期社会復帰が期待できます。また結果として、身体の機能の温存や入院期間の短縮といった患者さんの負担軽減が可能になりました。
ダヴィンチのみで手術が行われるわけではなく、医師がロボットのアームについている鉗子やカメラを遠隔操作して手術を行います。患者さんの側にも医師と看護師がついて補助を行い、協調して手術が行われます。
ダヴィンチ手術のメリット
01:身体への負担が少なく、傷口が小さい
数カ所の小さな切開部から内視鏡やアームを入れて手術を行うため、傷が小さくて済みます。
開腹手術の創
ロボット支援手術創
02:術中の出血が少ない
傷口が小さいこととロボットによる精緻な操作により、開腹手術と比較して術中出血が少なくて済みます。
03:入院期間が短く術後の痛みも少ない
傷口が小さいため、傷の痛みは少なく、術後の回復は早い傾向にあります。
04:複雑かつ繊細な手術が可能
鉗子の正確で細密な動き、拡大視野で精密な操作ができ、がんのより正確な切除が可能と言われています。
05:合併症のリスクが少ない
創部の感染が少なく、腸閉塞などの合併症発生率も低い傾向にあります。
ダヴィンチXiの仕組み
当院は2014年6月より手術支援ロボット「ダヴィンチSi」(旧モデル)を使用しておりましたが、現在、最新型「ダヴィンチXi」を導入しています。ダビンチ Xiによって、より複雑で難易度の高い手術に対する低侵襲手術の可能性がさらに広がりました。
01:ペイシェントカート
患者さんに接続する機器です。
ダヴィンチが医師の手の動きを正確かつ繊細に再現して、手術を行います。ペイシェントカートの鉗子には人間のように関節があり、従来の腹腔鏡手術では不可能だった人間の手のような動き(手首や指などの複数の関節の連動)が可能です。
4本のアームを持ち、1本には精細な高画質の3次元カメラを接続します。残る3本のアームには、術者が操作するロボット専用鉗子を接続します。
02:サージョンコンソール
医師がペイシェントカートの鉗子を操作する操縦台です。
手術野を10倍まで拡大することが可能な高解像度3次元立体画像を見ながら、両手で「ダ・ヴィンチXi」を操作します。
従来の腹腔鏡下手術と違い、画像が3次元化されたことで奥行きを読み取って鉗子を動かすことができるようになりました。またズーム機能により、今まで確認が困難だった微細な血管や神経が確認できるようになり、より正確かつ安全に手術を行うことが可能です。
03:ビジョンカート
ダヴィンチの中枢となる機器です。ペイシェントカートから送られてくる画像からハイビジョン3次元立体画像を作成します。
「ダ・ヴィンチXi」を操作する医師以外のスタッフは、このヴィジョンカートのモニターを見ながら手術をサポートします。治療に使用される鉗子やカメラなどの状態は、ダ・ヴィンチのスタッフが把握して術者に伝えます。
当科におけるダヴィンチ手術の実績
ロボット手術の執刀は、ダヴィンチの開発元であるIntuitive社が発行するロボット手術術者認定証を有した医師が行います。当院では2014年6月より手術支援ロボットを導入し、各種がんに対して年間約200例のロボット支援手術を行っております。
これは全国ベスト40位以内、神奈川県内でもベスト5以内の手術実施実績を誇ります。
ダヴィンチ手術の適応疾患・保険適用について
当院では以下の疾患に対して保険診療にてダヴィンチ手術を行っております。
保険診療の場合、ロボット手術を行うことで追加にかかる費用はありません。
また高額療養費制度も適用されます。費用についてご心配される場合は、医療相談室へご相談ください。
[適応疾患]
●胃がん
●直腸がん
●肺がん
お問い合わせ
ダヴィンチ手術を希望される方、詳細を知りたい方は医療相談室までご連絡ください。