対象疾患・治療
肝胆膵外科
肝胆膵外科について
原発性肝癌や転移性肝癌(特に大腸癌や直腸癌)、膵癌、胆道癌(肝門部胆管癌、胆嚢癌、上部中部下部胆管癌、乳頭部癌)などの悪性腫瘍に対して積極的に手術治療を行っています。
術後の外来フォロー中に診断された再発病変に対して肝動脈塞栓療法や抗癌剤療法に加えて可能であれば積極的に手術による再切除も行い、集学的治療により根治を目指します。
また悪性腫瘍以外でも肝膿瘍や肝内結石症、胆管狭窄、膵腫瘍(内分泌腫瘍、粘液産生性膵腫瘍)など、内科的治療が困難な良性疾患に対しても手術適応を検討し外科的切除を行っています。
腹腔鏡下胆嚢摘出術について
胆嚢結石・急性胆嚢炎
胆嚢結石、無症状の場合は治療の必要はありませんが、腹痛・発熱などの症状が出現するようになると重症の急性胆嚢炎を発症する可能性があるため治療が必要となります。また、胆嚢結石が総胆管に落下し、総胆管結石となると急性胆管炎と急性膵炎を発症する可能性があります。急性胆管炎と急性膵炎が重症化すると致死的となることがあります。
胆嚢結石・急性胆嚢炎に対する標準治療は、腹腔鏡下胆嚢摘出術です。
胆嚢ポリープ
胆嚢ポリープはその多くが良性のコレステロールポリープです。しかしながら、大きさが1㎝以上になると胆嚢癌の可能性があり、2㎝以上になると胆嚢癌の可能性が高くなります。したがって、1㎝以上の場合、手術の適応となります。
胆嚢腺筋腫症
胆嚢腺筋腫症は、胆嚢の壁が肥厚する良性の疾患です。
症状がある場合と癌との鑑別が困難な場合に手術の適応となります。
慢性胆嚢炎
慢性胆嚢炎も症状がある場合と癌との鑑別が困難な場合に手術の適応となります。
胆嚢癌
胆嚢癌は胃癌や大腸癌と異なり、内視鏡で直接観察して生検(組織を採取して顕微鏡で調べる検査)を行うことができないため、術前に診断することが困難です。そのため、胆嚢癌との鑑別が困難な場合、手術は診断を兼ねる意味もあります。